日朝首脳会議

今回の結果は,成果があったとみていいのか?以下,勝手に評価.

  1. すでに帰国している5人の被害者の家族の一部が日本に来られたことは,よかったのでは.元アメリカ兵とその娘は,今回来日しないことを個人的に決断したわけだが,第三国での家族対面をセットするようにした点は○.
  2. 他の特定失踪者への対応は,まるでなかったので×.
  3. 経済支援を約束してきたことは××.

この日朝交渉って,結局のところ,日本にとっての国益とは一体なんなわけ?常に国内問題の行き詰まりから関心をずらす効果をもって,拉致被害者たちを慰撫する成果を目指してやっているようだけど(もちろん,拉致は犯罪であり被害者やその家族の心情は察するけれども),今回はその目論見も大部分が失敗に終わったとは言えるだろう(家族会の反応を見る限り).

重大な人権問題が北朝鮮国内において発生している,ということは国際的にも明白なのだから,例えばさぁ,日本から拉致被害者の捜索のための調査団派遣を要求し,これに応じなければ支援は行わない,という攻め方はどうなんだろう?これは,向こうのガードが下がってきている今なら切れたカードだと思うのだが.

拉致問題の解決に照準すればいいのか,安全保障上の観点から北朝鮮の非核化を進めていくべきなのか,あるいはそれ以外の面に成果を求めるのか.まぁ,全て並行して進めるべきなのだろうが,ここが外交の思案のしどころだろう,って指摘するまでもないか.

個人的には「内政干渉」とか言われてもかまわんから,北朝鮮を朝鮮「民主主義」人民共和国にするための策略を陰に日なたに,しかし折を見て一気に畳み掛けるべきなんじゃないかと思ふ.そのためには,日米同盟べったりじゃなくて,日中関係も使いまくることは言を待たない.