他人から「それはてめぇの『自己責任』じゃねぇか」なんて言われたくないだろ,今井氏?

畏友N氏のblogから.
2004年初夏、今井紀明の主張(全文)http://www.wheatnoodles.org/x/archives/000674.html(wheatnoodles.org)

ここでリンクされている今井君の主張を読んで「あぁ,やっぱりフツーの少年だったんだ」と納得.

とても「自作自演」で自衛隊を撤退させる絵図を書けるようなタマじゃあないと.

N氏が怒りを覚えたとされる,

テレビでは、私たちの自己責任論が繰り返し論じられていた。その上、「自作自演説」や「ビデオ演出説」までが出てくることに「『死んで帰ってきてね』と言われていたのだ」と自覚した。

についても「あぁ,漏れも同じ立場なら感情としてこう言っちゃうかもね」とおぼいましたあ.「オレはあんなに怖い思いしてきたのに,何だよお前ら!」という憤懣は十分察せられます.

ただ,同情はするが彼とぼくが違うのは,ぼくには「世間に劣化ウラン弾の悲劇を伝える」ために「未だ戦闘状態が続くイラク国内で取材してくる」というアクションを起こす思想はまるでなかった,ということ.

今井氏は,ともかく起こした行動に予測される危険を「顧みず」イラクへ飛び,そこで運悪く件のとりことなってしまったが,無事帰国できた.であれば,世間に「ご迷惑をおかけしました」と一礼した後で,イラク劣化ウラン弾による被害の現状をバカな世間に淡々と語るべきだったのだ.世間が「自己責任だろ」とかなじるのなら,それはそれで「確かにおっしゃるとおりでした.ご心配をおかけして申し訳ございません」とひとついなした上で,自分が本当に語りたいことを語るべきだったのだ.また,語れないのなら,何もバッド・タイミングでイラク入りなどしなかったらよかったのだ.

このあたりが,彼の運動家としての致命的にセンスの悪いところで,アタマの悪いガキっぽさなのだ.世間を煽れない,むしろ世間に煽られてるんじゃ,運動家としては失点だよ….

折からの自己責任を厳しく問う輿論に自分も振り回されちゃったら,同じ土俵で喋っちゃったら,それは輿論の思うツボじゃん.

マスコミの要求に素直に応じ,人質手記を寄稿する前に,彼は自分がどういう目的でイラクへ行ったのか,そのことを思い出してヘタレ国民に向かって語るべきで,それ以外のことは口を噤んでたってイイ.ほとぼりが冷めてから「自己責任論」のお相手をすればいいのだ.それができないところに,彼のフツーさ加減が近親憎悪的に看て取れてヤなんだよね.まぁ,まだ若いんだから今度はうまくやれよ.次に失敗したら今回のようにもう騒いでももらえないだろうから.

こういうことができそうにないから,漏れは彼のやりかけた「うまくいけば英雄的行為」をしなかったわけです.

元からそんな考え,おめぇにねぇだろって?ご明察.