山田玲司「ONE ON ONE〜絶望に効くクスリ」(週刊ヤングサンデー)*1

ヤンサンは毎週購読しているが,以前ほど面白い作品がなくなった.次回が気になるのは山田貴敏Dr.コトー診療所小田原ドラゴン小田原ドラゴンくえすと!」黒丸/夏原武「クロサギ蝶野正洋石渡治「白兵武者」長尾謙一郎おしゃれ手帖」くらい,ってオイオイ結構あるな.それと,これ.

対談マンガなのだが,結構,これまで漏れが関心のなかった人に話を聴きにいっていて,その内容もそれぞれ深い味わいで読みごたえあり.

最新号では失敗学会(http://www.shippai.org/shippai/html/)会長である畑村洋太郎氏を訪問.畑村氏のお言葉のいちいちが「をを!そうですよね!」と小生感動.以下,引用.

「あー、努力すればなんとかなるっていうのはさ…」「ありゃ嘘だよ。
「失敗なんかしない方がいいよー。」
「いつも成功してますってやつがいたら…」「そいつは(5字傍点)新しいことをやんないやつだよ」
「生きてることそのものが,失敗と(2字傍点)同列じゃなきゃいけないのにね」

そうなんだよ!ミスに異常に神経質な同僚は大抵,うちら業界でいうところの補助金実績報告とか交付申請とか,型にはまった処理ばかりしていて,自分の担当業務での政策立案または今やっている処理系の変更業務とかができない.できないから,人に押し付け(お願いし)て自分は一切手を引く.定型業務と新規業務じゃ事故比率の大小は自ずとわかるだろうに,人に押し付けたその自分のできない業務に「ミスしたらダメ」などとプレッシャーをかけてくる.そのくせ,万全のはずの定型業務でさえ,下っ端のオレにミス発見されて,遡るところまで遡って修正業務したりしてるんだよ.実際,オレが採用される前から遡及して…つーのもあったくらいで(爆)

まぁ,失敗つーかそういう瑕疵が0にならないのはしょうがない.努力はするけどしょうがない.一番の問題は,そういうチェック魔は全然,新しいトコに手を出そうとしなくなることや,やってたことが新しくなったことすら分からん―――下手したら知ろうともしない,ということで….

「アガペイズ」「NG」「GOLD PANTHERS」と立て続けに中途半端な打ち切られ方をされてきた(少なくともボキにはそう読める.ヤンサン,このタイプの連載終了が多すぎるんだよ)山田玲司にとって,いつも以上に希望の言葉<ライム>として畑村氏の言葉が届いたんじゃなかろうか.