笠原嘉,1996『軽症うつ病:「ゆううつ」の精神病理』講談社現代新書1289(ISBN:4061492896)

たぶん,勤める前に買って読んだ本だと思うが,改めて読むと,今の精神状態が取りあえずの小康状態のように思えてきて,また発症するかもしれないという不安感が出てくる.

まぁ,私は医師ではないのだし,アレは突然なるものであって,一手一手詰め将棋の如く「詰ま」されるわけではない,というのは経験上わかるんだが,どうもヤヴァいんじゃねぇかと焦燥感が頭をもたげてくる.

ちなみに,寛解→たぶん軽いそう状態(半年か1年くらいか)→通院中断/服薬停止(勝手にかつ多額の借金のため通院不可能に(爆)),で現在に至るわけだが,こんな病気,ならんで済むのなら済んだ方が絶対イイ.ボキは最も重いときは文字どおり何も手に着かず,ただ訳の分からない汗をかきながら何をすることもできず,テレビのリモコンをザッピングしていただけ,という日が続いた.10秒も同じ番組を見ていられなかった.自殺念慮はあったが,なんとなく(死ぬのに理由なんていらないのだが)なんかお定まりのコースみたいでヤだったのもあるし,まずそんな死ぬほどのエネルギーもなく,症状が軽くなってくれば軽くなってきたで「なんか死ぬに死ねないよなぁ,諸事情勘案すると」と思えてきたので,もっぱら実践よりも「あぁ,死んじゃえば楽なのに」という夢想のみがあっただけだった.

閑話休題.第一人者の手になるもので,しかも平明な文章で非常に読み易い好著だと思う.

しかし,リタリンをスニッフするのが趣味,てなことを掲げてるページが結構あるもんだねぇ.ボキは処方されたことないが,あの手の薬を常用するのがそんなにいいもんかと首をひねる.漏れは,抗うつ剤を手放せない(軽い依存?)の時期もあったが,あれをのまにゃならんような状態にはもうなりたかねぇよ.寛解してからも,ダメだった頃の後始末で今もヒィヒィ言ってるわけだし.そんなねぇ,「軽いブルー」を持続させてドラッグのある暮らしを楽しむ,みたいな優雅さは単に甘えにしか見えん(否定はしないけど).

お口が少々過ぎましたかしら?ごめんあさぁせ.