立川談志,2002『立川談志遺言大全集(14)芸人論〈2〉早めの遺言』講談社

これも再読.
改めて,談志のどぎつい表現による韜晦を見て取ったわけで….芸の世界における狂気に魅了されて亡くなっていった人や「人間の業」そのものに殉じる,というか一般社会(って何だよ?)に戻ることができずに亡くなった人たちへの単なる憐れみではない眼差し.淡々とした筆運びの中に,談志のそうした先達へのいとおしみを禁じえない.
ボキは,彼岸の人々と自分がどう違っているのかよく分からなくなった.何だか自分だけが「間違って生きてる」ように思えてきたのだった.