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drama:「タイガー&ドラゴン」(TBS系)

クドカン,落語に目ぇつけましたか….
落語を知らない人が「三枚起請」をいきなり聴いて「面白い!」と感じるだろうか?知らなくても聴いて面白い廓噺と思えるのは他にもあると思ったけど(「五人廻し」とかね.その後のドラマの展開上,演じ分けで無理だが).西田敏行が図らずも「古典落語ってぇのは,予備知識がないと面白くないのが多いしねぇ」と科白を口にしていたが,そういうもんじゃないか.
そう思っていた漏れが浅かった.そこでクドカンによる三枚起請の作り直しになるわけで.もしかしたら,漏れの勘違いかもしれないが,男が「裏返さなきゃ*1いけねぇ」思ってたってところも忠実に翻案してる.
「この女,もとは品川にいなかったかい?」という状況が,キャバ嬢なら豊富にありそう.今じゃ,「北国南品*2」とか「四宿*3」とかでは済まないくらい,喋々喃々の場があるし.
阿部サダヲが「安田大サーカス」パクってる二ツ目やってましたが,「ああいう人いそうだね」と思わせる.
おねぇちゃんの上京の動機が,ばあちゃんの介護疲れからくる「燃えつき症候群」(感情労働!)という小ネタも織りまぜてあり.
「起請」の代わりに「タトゥー」ね.結構でげした.
最後に「『心中』ってなんだよ?」と「品川心中*4」の直しにかかろうとしてたが,これは難しいだろう.「ネットで知り合い心中」というのはあるが,「板頭のあたしが移り替えできないのを,後から入った若い朋輩にバカにされるのは悔しい」と恥をかかないために心中する,という感覚は現代にないと思う.「天国に結ぶ恋」のような話も聞かないし.まぁ,続編はないんだろうが,もしこれを直すとしたらどうなるのか?

*1:以下,あやふやな記憶による注釈.今で言えば,フリーで入っても(初会),付いた女の子を次同じ店に行った時に指名するのを「裏を返す」と言う.3回目以降の指名は「馴染み」ということになり,そのコの亭主として形式上は扱われたらしい.

*2:北にあるのが吉原で,そこから南に下ると品川があり,江戸の二大花街だったのでこの双璧を「ほっこくなんぴん」と言った

*3:新宿・品川・板橋・千住の4つの宿.品川は東海道,新宿は甲州街道?,板橋は中山道?,千住は思い付かないが,いずれも日本橋を出て最初の宿場町で「飯盛女」と呼ばれる女郎が在籍していたわけ.特に品川は,東海道最初の宿ということと「伊勢参り」の流行もあって四宿の中では最も栄えたよう.「土蔵相模」「お化伊勢屋(家?)」「島崎」は「品川心中」の枕にも出てくる大見世で,こないだから読んでる『赤線跡を歩く』にも「土蔵相模」と呼ばれた相模屋(家?)の跡地の写真がある.

*4:10年くらい前にAX系で「横浜心中」というドラマはあったな