愛想もこそも尽き果てたっ!

ふだんどおり,遅刻ギリギリで事務所入りすると上司が「早く来い!」とプチ立腹モードで手招き.「あちゃ,しくじったか」と痛む右膝をかばいつつ小走りで席へ向かう.
中身は叱責ではなく,次の議会で提案する「児童デイサービス事業所設置条例」について「規則制定の形で議会提案せずに事業実施できるか検討せよ」と助役の指示があったので調べろ,ということだった.助役の思惑としては,なるべく議会での審議を避けたいということらしかった.
ふつう,利用者からお金を取って行う事業は,条例で利用料について定めることになっている.条例を置き,運用上の細かいことは規則に委任します,として規則を別に定めるのがスジなので,事業実施に係るすべてを規則制定で済ませるのは「ムリじゃないの?」思いつつ,上司は道に照会,漏れは法制文書担当の主査に相談.
文書担当主査(あたしの最初の係長である)も「規則でやるっていうのは,まぁ,やってやれないことじゃないけど,他の市町村の大部分が条例制定して事業実施しているのに『うちは規則でやります』ということに理屈が付かないんじゃないかなぁ」と否定的.漏れも同意見,というかはなから条例案を引っ込める気はなし.道からの回答も「そこは市町村裁量ですので」とのこと(そりゃそうだ).
さすがに「議会対応がめんどくさいから」との理屈付けでは無理との助役判断で,当初どおり手続きを進めることに決定(「大山鳴動して鼠一匹」…).
バカ特別職並びに管理職のお歴々には,『仁義なき戦い』完結編における,宍戸錠扮する大友勝利の次の言葉を拳拳服膺いただきたい.

「牛の糞にも段々があるんじゃけぇ」

当たり前だが,条例を中心とする法体系(厳密には法じゃないけど)があって,それぞれが持つ性質・効果・優先順位等は違うわけ…ということをペーペーに指摘されちゃあマズいでしょうに.
どうも,うちの職場は原理・原則をないがしろにしがち.それは,むしろ志ん生の「淀五郎」における次のことばが実態を的確につかんでいるかもしれない.

「おめぇの判官はどの型でやってるんだい,えぇ?型がない?それじゃ形無しだ」

余談.
上述の「牛の糞にも段々」というのは地域限定,もっと言えば茨城のことわざなのか?というのも,これで検索すると「いばらき総合情報サイトGYA」というページがヒットしたもので(http://www.gya.co.jp/proverd_file/12..html).深作欣二は水戸の人なので….