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drama:タイガー&ドラゴン(TBS系)

権助提灯の回.
どん兵衛西田敏行)と親父(笑福亭鶴瓶)の学生時代の恋のお相手,小春(森下愛子)が出た段階で,きわめてオーソドックスな解釈の話になるかと思ったが,

小百合──どん兵衛──小春

ではなくて,

どん兵衛──小春──親父

のトライアド,しかも意地の張り合い(小虎には「男の焼きもちも始末におえない」と言わせていたが)に作り替えたのがクドカン流の権助提灯だった.サゲがサゲじゃなくなってて「タイガー,タイガー,じれったいがー!」で落としていたのがかなり強引だったように思うが.
記憶に残った(ただし,一言一句正確な記憶ではない)エピソードを以下列記.

「親父は大学時代,落研の副部長で『仁鶴(松鶴だったかもしれない)を超えるかもしれない』と言われていた人だった」
鶴瓶の高座がちょいとでも見られるとしたら『らくごのご』以来で,ものすごく期待.その一方で「大きく出たな」と感慨.
どん太の「ドーン,ドーン,ドーン!」
安田大サーカス
親父が小春に30年前に宛てたラブレター「ずっと30年後の今日も変わらず君を愛しています」と30年後の親父が小春に語った「30年後の今日は過ぎたが,やっぱ儂,小春ちゃんのこと好きやった」
ふと,中島らもの『寝ずの番』のエピソードを思い出す.鉄工所の社長(だったか)と一人の芸者を取り合った噺家が最後にその芸者を落とした都々逸「オレの心はトタンの屋根よ かわらないのを見てほしい」(だったような)
古典落語には人間の深い理解が必要,と小虎に説教するどん兵衛の台詞「人間なんて,年をとっても後悔の連続だよ….外側だけ丸くなってくばっかりで腹ん中じゃ…」
「若造のくせに」とたしなめられそうだが,身に詰まされる一言だ
小虎「オレらも30年後には『めぐみとヤッタのはどっちだっけ?』とか分かんなくなるのかもしれねぇな」小竜「それはねぇよっ!」
単純に笑った

3/4を観て,クドカンは落語の中の色恋とか情愛とかいうものを友情で置き換えて行く方向にしたのかなぁと思う.「クドカン古典落語の改題」に絞って観ていたこちらの了見が違っていたのかと.一方で,クドカンはマジな「惚れたはれた」というのを苦手にしてるのかなとも邪推する.「どうせ邪道だい!」と開き直ったという部分もあるのだろうか?
次は「厩火事」.古田新太≠オジーが夫婦漫才師役で予告に出ていたが,これも,予告と噺の筋を知っていると,わりと読めそうなスジ.ここをどう裏切ってくるか.
(20050507記す)