『スタ☆メン』(CX系)

今日の「スタメン図鑑」は「泪目族」だと.ケッ.
何なんだろう,「泣くことで自分の中にささいなことでも涙する感情があることを確認できる」とか言っていた「読書で泣く」男性.そのために,重松清等の涙腺刺激ストーリーばかり文庫で揃える本棚はなんなんだ!(重松清が悪いわけではないけど)
「泣くと副交感神経が活発化する」という効用もあるとか.たしかに,泣くことによるカタルシスでそれまでの気分がリセットされるように思うが,それを意図的にというか手段的にやる人たちは,ただただ不気味だ.
最近思うのは,彼/彼女ら「泪目族」を筆頭に,泣ける人は精神的に余裕がある人ということ.そして,そういう精神的余裕のある人をターゲットに「泣ける映画」「泣ける小説」「泣けるドラマ」を売り手はどんどん市場に投入していく.
売り手・表現者は,もっと「救いのない作品」を世に送りだすべきで,観客・読者は「ベタなのじゃ,感動しないよ」くらいの矜持を持て,と言いたい(これは「笑いの世界」にも通じる).
私自身は子どもの頃から非常に涙脆い.今でも仕事上でのささいな会話にも,ときどきうるっとくるような人間である.「族」のメンバーではないが,ひと頃,全く喜怒哀楽を感じなくなった時期が3年ほど前にあって,その時は今の「族」の方々のようなことは1,2度した.でも,そういうことを続けてしようとは思わなかった.あまり効果がなかったからだ.
要するに,精神的に,あるいは経済的に「追いつめられている人」は,泣いてる暇などない.ただ,ひたすら今後のことを思い悩むだけだ.それも考えれば考えるほど,不安・焦燥感が雲のように沸き上がってくるだけで,解決策が出てくることはまれである.
泣いて,これまで自分が他人にして来た多くのあやまちや,多額の負債や多大な不信感を一挙に解消できるなら,かくいう私がすぐに実践する.