(大人になって)はじめての泌尿器科

 先週の頭から,起床時と睡眠時に,どうも尿道から陰茎の根元内部にかけて掻痒感があり不快感が続いていた…って,なんていう書き出しの日記なんだっ!
 症状が悪化するでもなく,かといって快方に向かうわけでもなくという案配.症状の出場所が場所だけに「恥ずかしい…」と思いつつ,なんとか病院に行かずによくならないか,そもそもこの症状はなんなのだ?という疑問から,それらしき言葉を入力フィールドに打ち込んでググっていた(情報の信憑性という留保すべき部分はありつつも便利な時代だ).
 すると,どうも「前立腺炎」ぽい感じだ,という私なりの結論に至った.「〜炎」というからには原因となる雑菌とかそういうものがあるのだが,「淋菌」だの「クラミジア」だのといった名前が出てくる!「クラミジア」の文字を見たときには「こいてしていたのは〜/きょ〜ねんのな〜つの頃さ〜♪」で「OH!クラミジア」などというサザンオールスターズには大変申し訳ないダジャレが頭にこびりついてしまっていた.
 自分の名誉を守るため,誰に弁解するわけではないのにあえて言うが,上記のような「花柳病」というか「STD(性感染症)」に罹るような悪所にはうろついていないし,宅配悪所嬢とのお戯れもない.だが,放っておくと「精子によくない」みたいな表現も見たので,「私の次世代のために」と思い受診.
 受付の女子は,さわやかな感じの女の子.問診票を渡される.症状の欄は,適当な選択肢がなかったので「痛みがある(尿道・陰茎)」の項目に○.その後,受付嬢から紙コップを手渡され「あちらのトイレでおしっこ取ってください.トイレの中に小窓がありますので,そこにコップを置いて,待合室にてお待ち下さい」とのこと.
 トイレに入ったものの,病院に来る直前,コンビニでしてきたばっかのため25cc位しか取れなかったが,小窓を開けてアルミのバットに置いていく.
 しばし待合室で雑誌を読んでいると,看護婦が「21番さーん」と呼ぶ声あり.診察室へ向かう.医師は,病院のHPで見ると若そうだったが,肉眼で拝見すると同年齢の男性よりはやや不自然に毛量が多かったので「かぶってなければブラザーなのかな」とどうでもいいことを思った.
 以下,医師との会話.
尿道が痛い,ってことだね?」
「いや,痛いというか,内側からかゆい感じなんです.陰茎の根元から尿道にかけて」
「う〜ん」
「あの素人ながらちょっと調べてみて『前立腺炎』っていうのに近い症状なのかなぁと思いまして」
「ん?前立腺炎前立腺って,ちんちんっていうよりは肛門の方だからねぇ」
「そうですよねぇ.ただ,前立腺炎に『尿道がかゆい』という症状があるというのを見まして….で,クラミジアとか性感染症前立腺炎になるとかとも知りまして…」
 ここで医師,反応.
「ん!淋病とかクラミジアとかでもなるけど,思い当たる節あるの?」
「いやっ,ありません.不特定多数の方と性交渉のある方と性交渉したということはないです…(言ってて恥ずかしいのとバカらしいのとで声がどんどんディミヌエンド)」
「パンツに膿とか付いてる,っていうのある?」
「いやないです」
「じゃ,ちょっとそこで寝てみて」
 そして医師による触診.貧相な上に収縮しきった陰茎をさらけ出す.医師は「このあたりが尿道なんだけど」とまさぐるまさぐる.親指・人差し指・中指のスリーフィンガーでまさぐる.私はかすかな吐息混じりで「そっ,そこです…」…ってバカかオレは!
 結局のところ,医師もよく分からないようで「一応,そっち(クラミジア等)の検査もしてみるから.やっといた方がいいでしょ?」と左の口角を少し上げてにやついていた.こっちも愛想笑いで「まぁ,はい」と返し,診察室を出た.「だから,してねぇっつーのにぃ…」と下司の勘ぐりに心かき乱されつつ.
 しばらくするとまた看護婦が「21番さーん」と呼ぶ声あり.行くと「追加検査にさっきのおしっこでは量が足りないので,もう一回トライしてください.あそこに水もありますんで飲んでみてください」とのこと.言われるがまま,ウォーターサーバーで冷水2杯を一気飲みしてみたが一向に尿意のコスモ(聖闘士星矢だ)は高まらず,かといって病院に長居することもイヤでトイレに行く.
 念じて再チャレンジしてもやっぱり30ccどまり.もう一度だけ力んでの乾坤一「滴」(またダジャレだ)を紙コップに落とし,例の小窓の窓辺においてトイレを立ち去った.
 来週,再診.