読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

なぜか身につまされる…

 先日来,薬の副作用による肝機能障害の治療を受けていたが,本日,ようやく各種検査数値が正常値に回復し,やっとアルコール類を正式に解禁できるかなと安堵したところ.
 午後,仕事でかかわりのあるおばちゃんが,生活保護を受けている70代後半の実の兄を連れて「課長さんいるかい?」と来庁.
 別室に入り,おばちゃん(といっても70代後半なのだが)から話を聴くと,おばちゃん,開口一番「今日,これの家に行ったら,なんか臭いがすると思ったのさ.そしたらもぐしてそのままにして寝てるんだよ!(=脱糞したにもかかわらず,着替えなど後始末をしないで寝ていた)」とのこと.
 そこからおばちゃん,まくし立てるように「仕事をしない」「家で寝たばこをして,吸殻が山のようになっていて灰皿からこぼれ落ちている」「ゴミを出さないので,家の中のごみが腐って臭いがひどい」….
 このじいちゃん,自転車から転倒してひざを骨折し,しばらく入院してたのだが,その後退院して上のような生活だったという.「仕事に来ないのに,まだ悪い足で,片足で自転車こいで夜飲みに行ってるんだから腹くそ悪くて…!」おばちゃんとしては,兄の住宅入居の際の保証人にもなっているのだが「もう面倒見切れんから,保証人も辞めたいわ.課長さん,もう,こいつの保護費,打ち切ってくれ」終いには「お前なんか,もう内地でもどこでも行っちゃえ!昔みたいに乞食でもしろ!橋の下で暮らせばいいんだ!」と言い切る始末.
 課長が,おばちゃんをなだめすかしつつ,じいさんにはかなり厳しい口調で「たばこは止めろ」「外では酒飲むな」「ゴミを捨てろ」「働きにいけ」等の生活指導を行った.課長だって,20近く年の離れたおじさんに説教というのもきつかったろうに,と思う.
 最後に,課長自ら筆ペンを取って「やくそく」を5箇条にまとめたものを書き上げて本人に読み上げさせた上で指導を終えた.
 傍で話を聞きながら,このじいさん,もしかすると認知症の兆候があるのかもしれないかと思いつつも,ただ単に自堕落で社会性を失いつつあるのかとも思い,でも「外に飲みに行くということは何らかの社交を求めているのだから,まったく社会性を失っているわけでもないかなぁ」と再度自問していた.そして,課長が読み上げて本人に誓わせた「ゴミを出すこと」「仕事をすること」「酒は外で飲まないこと」「たばこは止めること」「部屋をきれいにすること」の一句一句が,なぜか我が事のように思われ「ごめんなさい!今日は反省します」と思ったのだった.
 生活保護行政といえば,最近では「北九州市方式」の酷薄さが騒がれているが,末端では,このような業務もあるのだ.