読了:年末年始〜
来月頭に車検があることを忘れていて,全然その金のことを念頭に置かずについつい「これは買っておかんと!」と勝手に思いこんだ本をどんどん買ってしまった….
車検のことに気づき,青くなって今は購入本の「読み」に入っているのだが,以下,挙げていくものを見るとマンガばっかり.もちろん,マンガがダメということではなくて,こちらの読書体力が落ちているせいか,やっと気力を振り絞って「読んでやる!」と思って買った大澤真幸『ナショナリズムの由来』のあの圧倒的な厚さ(たぶん軽い外国語の中辞典くらいはあるだろう)に意気阻喪な感じなのだ….
- 作者: 越中詩郎/ケンドーコバヤシ
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2007/06/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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意外というか,越中詩郎の恬淡とした(プロレス界の荒波の中でメキシコひとりぼっち→新日への移籍→平成維震軍結成…と苦境に立つエピソードは本書にあるように枚挙に暇がないように思えるにもかかわらず,である)語り口に清々しさを感じた.鉄道や路地好きなところも個人的に趣味があって誠に勝手ながら「イイ」感じだった.
もちろん「笑えるタレント本」としてもきちんと成立している(せきしろ,椎名基樹が執筆でスタッフに加わっており,たしかにこのラインのテイストを感じる)ので,ケンコバ節とリスペクトの対象としての越中との絡みに十分楽しめるだろうと思われる.
芸風で使いにくい部分もあるかもしれないのだろうが,ケンコバはもっとテレビで見たい.下ネタの「粋」がケンコバにはあると思う.地方在住者としては切にそう願う.以上余談.
- 作者: 山田芳裕
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2000/01/01
- メディア: 文庫
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- 作者: 山田芳裕
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2000/02/01
- メディア: 文庫
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『大正野郎』は,バブルの末期近くに『モーニング』で連載していたとのこと.当然,あたしはリアルタイムでは読んでいないのだが,あの時代にこの作風はどう受け入れられていたのだろう?今読むと,掲載時期より10年くらい古めの時代設定のような画の構成なのだが,逆に「昭和の過剰な時代にあっての懐古趣味」として,今なら新鮮に受け入れられると思う.トーンを極力使わず,ベタやハッチングによる陰影の描写により,ページに黒さが強調されていることが,意図してなのかそうでないのか時代を感じる(後述の『アンラッキーヤングメン』は明らかにそういう効果を意図していると作者自らが告白している).
でストーリーも主人公の「大正野郎」が周囲と審美眼が相当にずれていて,その齟齬が周辺のキャラクターに受け入れられないことが物語を駆動していく,と勝手に予想していたら,あにはからんや,わりと穏やかな感じで進行していくホームコメディというかラブコメディで読後感がほっとするものだった.
『考える侍』『やぁ!』『グレイト2』の中では『やぁ!』が好みだった.登場するキャラクターたちが意識する主人公そのものの描写がそれほどないのに,なんでここまで隠された主人公の存在感が出てくるものか….
これらも当然,連載誌は読んでいないのだが『やぁ!』と『グレイト2』のあたりから『デカスロン』につながる「濃いキャラクターをさらに強調したコマ割り・アップで描写する」山田路線が出来上がってきたのかなぁと…と思ったが『大正野郎』でも十分,主人公・平徹はそういう描かれ方だった(爆
- 作者: 大塚英志,藤原カムイ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/07/26
- メディア: コミック
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藤原カムイの画って,こういう感じのものだったんだぁ,という驚きがまず一つ.
2巻の巻末で原作の大塚英志が「とくに60年代末を意識したわけではない.青年はいつの時代も自らを『アンラッキー』と感じるだろう」と書いてはいるが,やはりどうしても(同時代人としての共通体験はないが)少年連続射殺事件や連合赤軍事件,三億円強奪事件,東大紛争等々を思わずには,あたしは読めなかったということが一つ.
もちろん面白くて一気に読めた.しかし,その面白さをどう表現すればいいのかがわからない.
- 作者: 興津要
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2008/01/05
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- 作者: 岩明均
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/01/21
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なんでこんなすごいものをオレはリアルタイムで読もうとしなかったのだ!と激しく後悔.とにかくいろいろな「問い」があふれている.
この先何度か,読み返すことになる.そういう確信をこの作品には持つ.