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いくら気のある相手でも映画を一緒に観に行かない方がいい

 先週末同様,当地は猛烈な低気圧のおかげで軽く吹雪.ホントは,給料が入ったので,なじみの店で一献という気分ではあったが取りやめ.軽く軒先を雪掻きしたあと夕食を取りつつDVDで韓国映画太白山脈」を観る.

太白山脈 [DVD]

太白山脈 [DVD]

 この映画,以前,当地のボロい小屋に行って,当時あたしが好きだった「天然ボケにも程がある」女子と観たのだった.映画が終わって劇場を出て,たしかMOSとかでお茶しながら映画の感想を語り合おうとしたのだが,いかんせん相手がスジを理解できなかったため,こちらも相手に話を取りあえず合わせるだけで精一杯だった.途中から,さっき観たばかりのモノなのにあまりにも捏造した記憶に基づく感想を言い出すもんだから,「そんな場面なかったよ!!!」と半ギレになってしまった.
 もっとも,韓国史というか世界史の現代史をかじってでもいなければ,1948年から映像化される全羅南道の筏橋(ポルギョ)というマチが朝鮮戦争前夜に「イ・スンマン体制/キム・イルソン体制」の激しい揺れに翻弄されていたことなど知らないから,理解できない部分をでっち上げるのも分からないではないが….
 せっかく,一緒に映画を観てその感想を聴き合うことを期待してたのに…と考えたあたしは,その時自分のウブさを呪う記憶を思い出した.
 大学2年か3年のことだったと思う.当時,つきあい始めた女子に「映画,観に行こう」と誘って渋谷の映画館で観たのが「シンドラーのリスト」だった.序盤からナチスによるユダヤ人の虐殺シーンに身をくねらせ目を背ける相手を見て「これは,別のモノ観た方がよかった…」と思った.その先のストーリーも彼女は見届けられなかったようだったし.彼女も「観たい」と言った作品だったのだけど,こっちが大して楽しめなくてもゆるいラブコメあたりをチョイスすべきだったと思う.
 映像メディアが映画しかなかった時代はともかく,今,映画を観るということは,2時間近い時間を途中休憩なしに注視しなければならないもので,これは「つまらなければ他のチャンネルに」というテレビとは違う拘束感があるわけで.もちろん映画館を出るという選択肢もあるが,入場料を払ってるというリアリティがそこまでの決然とした態度を取れなくさせているだろう.
 ともかく,過去2回の体験であたしは,いくら好きなコが一緒でも,映画を観ることで一緒に時間を過ごすのはお互いに楽しくない時間になるのだ,ということだと知った.よほど,これから見る作品世界について共通理解がないとダメだ(裏を返せば過去の失敗は,全て「史劇」だったということで歴史に明るくない相手なら避けないとダメということなのだが),そう思った次第だった.
 ちなみに「太白山脈」の同伴者は結婚したとのこと.「シンドラーのリスト」の同伴者は分からない.二人とも無事平穏な毎日を過ごしていて欲しいと思う.