年頭にあたり

 寂れる一方の本日記ではありますが,もし読んでいただいている方がいらっしゃれば,相変わらずの不定期更新となることと思われますが,どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます.
 さて,昨年末──仕事納めあたりから雑感を交えて書き出してみる.
 この年末年始は,会社が定める(条例)どおりの休みとなっていて,例年より短めの感あり.
 手前どものような「役場」と呼ばれるところでは,官公庁ではあっても仕事納めは国・都道府県より遅れて30日となる.実質,いわゆる官庁御用納めの28日以後は,来客はほとんど無い.地元の業者が年末の挨拶に幹部席あたりを回っている程度.
 29日は,つかの間社外からの問い合わせやら催促やらといった電話が激減するので精神的にほっとするのだが,客が来ないので窓口対応することもなく,社内全体になんとなく「もう休みにしようぜ…」という気分が醸成されていく.当方は年明け早々に期限を切られている報告モノづくりをしているのだが,だんだんと周囲の「厭戦気分」に感染されてやる気を失っていく.
 「地方自治」なんて言っても,業務の一部が国や道への書類提出のようなもので縛られている役所の端くれではあるので,お上の動きが止まれば下々の動きもそれに合わさざるを得ない.第一,世間の大半が年末年始モードにシフト変更されているので,件の「厭戦気分」はすでに出勤前の朝から始まっている.ニュースなりワイドショーなりで頭の中を仕事モードに変えようにも,「回顧2009年」みたいな内容ばかりではうまくいかない.いっそのこと,手前どもも上級庁にあわせた休日設定にしちまえばいいのに.客の方も年末年始モードで動いていることだろうし.あたしらのような窓口業務をメインとする部署は,数人犠牲になってこれまでどおりの対応をしなければならないかもしれないが,全部門で30日まで営業することもないだろ,と思う.
 仕事納めの30日.すでに4人の島のわが部署は,1人戦線離脱し帰省.主査は「かみさんの実家に行くから」との理由で15:00より休暇に入る.残るは,あたしと臨時職員の女性のみ.主査と臨職さんは昼前から自席付近の掃除を始める.当方,課長に「まだ仕事してるの?」との冷やかしにも何とか強いハートで報告モノのExcelいじりをしていたが,14:00を過ぎると過半の社員が掃除しだしてもはやこれまで.月末処理を行ったのち,ちゃらっと机周りを片付けだす.事実上の仕事納め.

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 30日の晩はいつもどおりの年の瀬で,例によって納まったものも納まらないものも含めて暦は更新されていくのだ,との解放感の中にあったせいかいつもより酒のペースが速すぎて,行きつけの店で久しぶりにリバース.不覚.

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 31日は,年中行事のそば打ち.都合,粉で4.5kg分のそばを打つ.ただ,今回は分業体制で水回し・捏ね専門だった.俗に言う熊の手の形での水回しをやっていると,鉢の中から立ち上るそばの香りと腕の動きに合わせて揺れる横の腹.痩せないのぅ.出がけに雪かきをしたせいもあり,終了後は両腕に疲労感と軽い筋肉痛.
 午後に実家へ到着後,神棚掃除・入浴後,紅白を家族で観ながら夜を過ごす.しかし,昼に試食で出たそばしか食べていなかったために先に食べ過ぎたのと昨晩の悪酔いの後遺症で酒はあまり進まず.めずらしく22:00前に酒を切り上げて床に入り横になっていた年越しの夜だった.紅白は,まぁ「つまらない」というのが衆目の一致するところだろうが,紅組トリのドリカムの異様なテンションが少し怖かった.

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 明けて元日は,10:00に両親を連れて神社へ初詣.御神籤の結果は「末吉」なり.「のどけしと見えしうなばらかぜたちて小舟危きおきつしらなみ/小舟が俄に嵐にあう様に思いがけない事で災起る恐れがあります 決して色に溺れ不義の行をしないで正しく一心に辛抱するがよいです小さい処に注意なさい」ってなんじゃそりゃ?年頭から機会もなさそうな肉欲への戒めかよと舌打ちした.

 例年にない雪の多い,暖かい元日ではあった.