誕生日の夜

40歳になった.

不惑」とはいうものの,まだまだ肚の座らないヘタレっぷりで,まだまだこれから鍛錬の必要な四十路の始まりだ.

提示に帰宅後,カミさんとメシを食いに出掛ける.
途中,毎年恒例になっているバッティングセンター詣でをしたが,運動不足と内臓脂肪肥大により緩慢なスイングでロクな当たりは出ず.200円分で「今日はこれぐらいにしといたる」と強がりつつ止める.

カミさんに特に希望がなかったので,なんとなくだが回転寿司で夕食.いつも貝類を中心に食べるせいか勘定が割と高くなるのだが,今日は皿の数こそいつもどおりだったのに,二人で3,500円程度だった.「あたしがデザートを食べてないからだ」とカミさんは言った.

その後,久しぶりに大型書店へ.
最近は新刊チェックを疎かにしていたため,あれもこれも欲しいと手に取っていたら10,000円近くなってしまった.それとは別に1冊,カミさんからのプレゼントとして買ってもらったものを含めると12,000円超.本の置き場に困っているのに,倹約せねばならんのに……と少し落ち込む.

帰宅の途中に実家に寄る.老夫婦,特に母が嫁の来訪に異常なテンションだった.カミさんが花嫁道具として持ち込んだタンスについて,親父が「隠し扉のこと聞いてるのかい?」とカミさんとオレに聞こえる内緒話をしていた.タンスが来た時,受け取りに立ち会ったので親父とお袋はその存在を知っていた模様.

帰りの車中,カミさんに「タンスの隠し扉のこと,オレに聞こえるように話ししてちゃまずいんじゃねぇの?」と訊くと「なんで? 泥棒に知られなければいいじゃん」というので「その泥棒は意外に身近にいるから警戒しないとダメなんじゃないの? オレとかさぁ」と返すもカミさん「ふーん.そういうもの?」とピンときてない模様であった.