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年金未納問題(暴論)*1

ということで,福田内閣官房長官辞任.

福田官房長官、辞任を表明…後任に細田副長官内定(YOMIURI ON LINE)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20040507it02.htm

なんでも,週刊文春の取材に応じたところによると,

記事の中で、福田氏は「僕が国民年金を義務的に支払わないといけなかった未納期間は、全部で105カ月」と語った。

「8年間未払い」、週刊文春が掲載 福田長官未納問題 (asahi.com
http://www.asahi.com/special/nenkin/TKY200405070240.html

私も未納期間が,おそらく2年間くらいある.学生の頃の分だ.もっとも,後半は免除申請をしたので,再び自らが納付者となったのは就職後のこと.

「年金保険料を1円でも払わなかったヤツは年金制度を語る資格無し」というような厳しい道徳的基準で判断されると,口を噤む他ないが,年金制度を議論する立場にある議員たちにこれだけ「未納期間」というスネに傷持つ輩が多いと「な,アイツもやってたんだからオレにもしゃべらせろぃ」と言いたくもなる.

思うに,これまでの年金制度は,昨今流行りの「自己責任」すら取ることのできない凄まじい制度だ,ということが世間は分かったんじゃないだろうか.

そもそも,年金制度を極論すれば,

  • 保険料納付義務が課せられる期間は,その時々の物価水準と年金給付財源の状況に応じ決定された保険料を納付しさえすればよい
  • 年齢到達により給付開始.給付額はその時々の物価水準と年金給付財源の状況に応じ決定された額が給付

というもの.

何が凄いって「自分の未来に対し積み立てている」のでは(実質的には)ない,というところだろう.自分と同時代に生きている年金給付対象者への支払いのために,保険料が使われるという「自転車操業」システムなんだから.

これだけで「危ないシステム」と感じるところだろうに,大別して「国民年金」「厚生年金」と制度が分かれていて,保険料納付が義務にも関わらず相互に保険料納付を捕捉しきれないという爆弾を抱えているところ.サラリーマンは給料からチェック・オフされるのに対し,自営業者は自分で納めるという納付方法の違い.

さらに公務員共済のような長期・短期の掛金がかかるところでは,今回のように閣僚になった場合は長期掛金を納めるのではなく国民年金に加入しなければならない,などと言われたら,どこで未納期間が発生するか分からんだろう.加えて,専業主婦は旦那の勤務形態で複数の年金制度を行ったり来たりしているうちに,本人すら気付かない未納期間が発生する蓋然性が高いとなれば,こんな制度で誰が自己責任を問えるのかと言いたくもなる.

基礎年金部分は全額税で賄うべきだと思う.そうすることで,年金制度の一本化を始めて行くべきなのではないか.保険料も給付水準もその時々の経済状況に依存するのならそれが最も妥当なように思えてならない.

余談.

「罪無き者のみ石を投げよ」とは言うものの,こいつにはオレも投げる権利はアリのような気がする.

札幌市長が年金保険料未納 29年間(北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20040430&j=0023&k=200404301090

札幌市の上田文雄市長は30日の記者会見で、昨年6月に市長に就任するまで約29年間にわたって国民年金保険料が未納だったことを明らかにした。上田市長は「失念した状態がずっと続いた。国民年金への信頼が揺らいでいる中、誠に申し訳ない」と謝罪した。

上田市長は大学卒業後に札幌市で弁護士として開業したが、司法修習生だった約2年間を除き、市長になるまで29年2カ月間、国民年金への加入手続きをしていなかった。

法曹界に身を置いて「失念」という言い種は,無いよなぁ.