職員/臨時職員の境界…(覚え書き程度)

あちしの職場には,臨時職員(内部では「要綱職員」とも呼んでいる)が3人います.福祉担当,国保医療担当,健康増進担当に各1名.で,早くも来年の臨時職員配置予定数というのが職員間の話題に上り,庁舎内の臨時職員(福祉と国保の2名)を1名に減らすという構想(たぶん課長案)が一部職員の知るところとなった次第.

今日も,課長が福祉担当の臨職さんを呼び「職員研修にも積極的に参加しなさい」というような訓話めいたことをしてたのを目撃.この臨職さんに対しては,課長が積極的に日赤事務とかを主業務としてやらせるよう主査に指示したり,いろいろな働きかけを行っている.

ボキ的には「この人は別な課に回した方がいいんじゃないの?」とおもっとるのだが.だって,電話対応等含め,職員以上に権力的な言動が多くて….今日も敬老会の式典への出欠確認を電話でしていたが「あの〜,役場の福祉担当なんですけど,敬老会のご案内をお送りしているんですけど,○○さんは出席されないんですかねぇ?」だと.わざわざ呼んでやってるのに,連絡もよこさないの?出る気あんの?と電話の向こう側の人を軽く吊るし上げてる感覚を呼び起こさねぇか,その言い方.オレなら「ご連絡の方いただいてなかったようでしたのでお電話差し上げましたが,式典の方はどうされますか?」くらいの配慮はしますよ.

まぁ,それはともかく,最近特に思うのが表題の「職員/臨職の境界」だ.うちの臨職への担当業務割り当て然り.

先日,こういうことがあった.ボキの担当業務の次世代育成支援行動計画策定業務で,保育サービスの5か年の整備計画を国にあげていくこととなり,その中で,うちのまちじゃ0歳児保育を実施していなかったので,19年度から実施の方向で考えていきましょう,と保育課と協議.ただし,新規事業なので助役に実施時期を含めて話をしておきましょう,と課長・主査とともに助役室へ説明へ.

0歳児保育は,どこの地域でもやって当然とされるべき通常保育の範囲.本来なら育児休暇の取得が世間で当たり前のこととなればいらない事業なのだが,現実にはそういう働き方や休業(補償含む)ができないので過渡期の措置として講じられているものだ.たまたま,職員保育士を中心として組合の立場から(「労働強化だ」とかいう理由なのかな)「やらない」宣言があったのかなかったのか,ともかく事業実施に消極的だったということで,0歳児保育に欠ける数少ないまちという不名誉な立場に今なおあるわけで.そういう認識があったので,わしらは「設備基準をクリアするため初度整備の予算措置等は必要となるが,実施については異論ない」ものと思っていた.

ところがだよ,助役は「オレの考え方が古臭いのかもしれんが…,せめて1歳になるまでは母が自宅で赤ちゃんの面倒を見るべきじゃないかなぁ」という予防線を張りつつ「これは町長の政策に関わることだから,オレの一存でゴーサインは出せないなぁ」とのたまった.ぽかーん,としましたよわしは.やって当たり前のことをうちはしていない,それをほんとに遅ればせながら実施すると決めることを「政策的判断」と言うのか?言わねーだろふつーよー!

助役が即断しないのには,保育士の人件費等をどうするかという問題があったようなのだが(実際には,現に配置されている保育士数で実施可能),驚いたのはその議論の際に保育課長も助役も「保育士は要綱でもいい」「要綱でも保育士は人員基準をクリアするよう置かないと」と保育士であれば職員も要綱職員も同じだ,という考えで話をしていること.

たしかに,保育士は昔は任用資格だったのだが,今は名称独占資格に代わり待遇は採用区分による,という変遷を辿っているので,「保育することに関しては採用区分の如何を問わず」という議論は成り立つのだけど,それじゃあ職員の保育士が行うべき業務/臨職の保育士が行うべき業務に差異はないのか.前のエントリの「公務員の専門性」にまた話が戻っていくわけで.

人件費に着目すれば,職員として確保するよりは臨職対応の方がはるかに安上がり.だけれども,その給与・待遇の格差をどうやって説明するのか.保育士然り,事務補助の臨職然り.染之助・染太郎は働き方は違うけれどもギャラはおんなじ,だったわけで,おんなじ働き方をしていて同一待遇を受けないことはどう考えてもおかしい.

だから,任命権者は業務に重みづけしなければならないだろうし,働く側としても「ギャラの違いは,仕事の中身の違い」と受け止めなければならないと思うんだが,現実には,低賃金で雇いあげられ仕事の量は職員以上の臨職,個人情報(うちの臨職は生活保護事務までもしてますから,残念!)を扱わされてやってることは職員と変わらないが3月の採用更新に何の保証もない臨職が生まれるんである.

このあたり,たぶん志木市*1なら業務の性質に着目した明確な区分がなされるんだろうけど,まず財政難ありき(そのくせ「地域通貨研究事業」とか「スロータウン構想研究事業」とかにポンと予算がつくんだよな…)で「立ってる者は親でも使え」的な人の割り振りしか,ボキの職場では上も下も考えられないのだろう.今は買い手市場ということもあり,雇用される側も「働ければそれでいい」という考え方にならざるを得ないだろう*2.でも,ここを整理するのが公のあるべき立場,じゃないだろうか.

*1:N氏へ.調べてみたけど新聞記事ならけっこうありますが,論文等まとまったものはない模様.

*2:もっとも,売り手市場にあっても臨職「で」いい(しかもやくしょでだ)という人もいる.別にスキルアップも考えないし「私は臨職だからそこまでの仕事の責任は負えません」と言うくせに「職員はぬるい仕事なのに高給取りだ」とも言う.批判に一理あったとしても「お前がその立場に甘んじてるんだからしょうがないじゃない」くらいのことはこの手の手合いには言ってもいいと思う.