秋の味覚祭・その2

 おとといの日記のように,あたしだって人が丹精したものを食べるだけではないのである.
 …って偉そうに言えたほどのこともないが,今日は,やくしょのひとを含むそば打ちグループで,過日刈り取った新そばの脱穀作業に出かけた.
 昨年は,そばの品種そのものが変わっていて,フツーのものの1.5倍くらいの粒があったのだが,収量の割にさほど味はよくなかったため,今年は,普通の品種にしたらしい.肝心の味の方はどうなのか….
 あたしは,刈り取りの時には仕事があって行けなかったのだが,圃場に出てみると例年よりも作付面積そのものが少なかった.で,雨が続いたこともあり,一部のそばは発芽してもやしができていた.食べなかったが栄養価は高いらしい.そばが湿気っていると,なかなか実が茎から外れない.かといって鉄製のからさおを何度も振り下ろすのもしんどい(昨年は張り切りすぎて,その日の夜は極度の筋肉痛のため痛みに苦しんだ).そこで,メンバーの一人が林から白樺かなにかの枝を切ってきて実落とし用の棒を何本か作り,それを用いて,人によっては丹念に,人によっては適当にそばの実落としをした(もちろんあたしは前者である).
 途中,小さな灰色の物体がメンバーの周囲を走っていく所を棒で押さえられた.モグラだったようである.遠目でしか見られなかったが,なかなかかわいらしかった.
 9:00から始めた作業も11:00頃には実のふるい落としまで終わっていて,やはり例年よりも収量が少ない状況のようだった(一緒に作業していた人の話では「1俵あるかどうか…」とのこと).ともかく作業を終え,グループの仕切り役である(あたしの行きつけの飲み屋の)マスターから「メシにしよう」との声が出て,(マスターの妻である)ママお手製の鶏五目ごはんが振る舞われた.労働のあとの食事ということもあるが,前日マスターたちが採ってきたキノコがふんだんに入っていて最高だった.北海道ではポピュラーな「ボリボリ」と呼ばれるキノコ(これはダシがすごく出る)や白シメジがふんだんに入っていて,意地汚くもあたしはプラスチックのパックに小分けされていたそれを二つも食べたのだった.
 圃場では,そばの隣の畝には豆が植えられていて,すでに刈り取り済みだったが,さやに入ったままのものやさやからは出ているが畝に残って採られていないものがたくさんあった.あたしは,お袋が煮豆が好きなのを思い出して,一食分程度の豆を拾ってきた.

マスター曰く「大正金時か福〜(聞き取れず)かな?色流れしてるが,食べる分には関係ない」と小島よしおのようなことを言っていた.
 豆の隣には,収穫前のとうきびがたくさん.マスターが「実家に持って行け」というので,数本もらった.

もぎたて
 さっそく実家に持って行き,食べた.粒はぎっしり詰まっていた.甘みはやや控えめ(というか,最近のとうきびは,品種にもよるのだろうがあたしには甘すぎる).もぎたて・茹でたては美味しいですよ,奥さん!