死刑執行

 最近,たまたま加賀乙彦『死刑囚の記録』を読んでいたところだった.

死刑囚の記録 (中公新書 (565))

死刑囚の記録 (中公新書 (565))

連続幼女誘拐殺人 宮崎勤死刑囚らの死刑を執行
 法務省は17日、88〜89年にかけて東京や埼玉で起きた連続幼女誘拐殺人事件の宮崎勤死刑囚(45)について、東京拘置所で死刑を執行したと発表した。幼い子が標的にされ、被害者宅に遺骨が届けられるなどした衝撃的な事件は、発生から20年を経て刑が執行された。

 宮崎死刑囚のほか、2人の死刑も同日執行された。死刑執行は、鳩山法相が昨年8月に就任して以来、昨年12月の3人、今年2月の3人、4月の4人に続いて4回目で、計13人。鳩山法相は2カ月に1度の間隔で執行命令を出し続けている。止まっていた執行が93年に再開されて以降、1人の法相のもとでの執行としては長勢前法相の10人を上回り、最多となった。鳩山法相は執行が2カ月に1度のペースで進んでいることについて「粛々と執行させていただいている。その結果が、たまたま何カ月おきという議論だ」と述べた。
(中略)
法務省によると、ほかに執行されたのは、東京拘置所の陸田(むつだ)真志死刑囚(37)と大阪拘置所の山崎義雄死刑囚(73)。

 陸田死刑囚は95年12月、兄と共謀し、勤めていた都内の風俗店事務所で店長(当時33)と経営者(当時32)をナイフで刺すなどして殺害し、財布を奪った。2人の遺体をコンクリート詰めにし、茨城県鹿島港に捨てた。

 山崎死刑囚は85年11月、共犯の男と共謀し、知人の仙台市の主婦(当時49)を絞殺し、自殺に見せかけて保険金約700万円を受け取った。90年3月、別の男とともに、保険金目的で香川県の男性(当時48)の頭を鉄亜鈴で殴るなどして殺害し、遺体を高知県内に遺棄した。

 死刑確定から執行までの期間は、宮崎死刑囚が2年4カ月、陸田死刑囚は2年8カ月、山崎死刑囚も3年4カ月となっており、「約8年」といわれてきた期間が大幅に短縮されたことになる。
http://www.asahi.com/national/update/0617/TKY200806170058.html
ウェブ魚拓http://s03.megalodon.jp/2008-0617-1604-24/www.asahi.com/national/update/0617/TKY200806170058.html

 宮崎死刑囚による一連の幼女殺人事件から20年も経っていたことに,ちょっとした驚きを感じた.20年前と言えば,昭和の終わりと平成の始まりの頃のことなのに,同時期の出来事として記憶がほとんどないからだ.まったく個人的な理由ではあるのだが,この時期,あたしは中学・高校生で,当時,女の子に振られたショック(書いててものすごく恥ずかしいが)で夢遊状態のような毎日を過ごしていたため,事件についてのニュースを見ていた記憶はあるものの,その記憶と正確な時期が一致していない.この事件については,発生当時の報道よりも,その後の公判に関する報道や「おたく」に関する多くの論評に目を通していたことの記憶が強くて,これほどまでに時間が経過しているとは思わなかった.一時期,『創』を購読していたこともあり,たしか宮崎死刑囚への獄中インタビューも読んでいたように思う.今となっては,内容がほとんど思い出せないのではあるけれども.
 大塚英志がどういったコメントをするのか,気になる…同じことを考えていた人がいたようだ(d:deadmanday:20080617:1213703534).
 宮崎死刑囚とともに死刑執行された陸田死刑囚は,昨年亡くなった池田晶子の『死と生きる:獄中哲学対話』(新潮社)の共著者であることも知る.
 「粛々と執行」されていく死刑とか秋葉原殺傷事件との関連とか,なんだかいろんなことばかり思い浮かぶけれども,考えがちっともまとまらない.