村井弦斎『食道楽』

[本]のメルマガvol.175を今さらながら読んでいて発見.この本,ボキの小・中学生時代の愛読書だったのである.
明治時代に書かれた小説で結構大部(春夏秋冬の各巻がある).もちろん,初版本とかではなく復刻本(柴田書店というところから出ていたようだ.「柴田書店名著復刻図書館」でpdfにて読めるhttp://yumyumtown.com/lib/index.html)を持っていて読んでいたのだった.
おぼろげな記憶では,明治時代の洋食を中心にした詳細なレシピを織り交ぜながら,食いしんぼな上流階級の方のラブストーリー.食に関する薀蓄満載だった.*1この本で「テンピ」とか「ラード」とか「ヘット(牛脂のこと)」とか「和三盆」とかを知り,「脳味噌料理,食ってみてぇ」と(今でも)まだ見ぬ料理の数々に勝手な妄想を膨らませていたのだった.*2
ボキの叔父が板前をやっていて,修行時代に読んだ本だったらしく,読み終えた本をボキの祖父に渡していたのを祖父亡き後数年経ってから譲り受けた.pdfではルビなしで旧字・旧かな遣いだが,本のほうはルビありでこれを読んで結構字を覚えたように思う(おかげで,今でも擬古文は抵抗なく読める).
平塚出身で「村井弦斎祭り」なるものも開催されている.いやぁ,猛烈に読みたい.実家が引っ越したときに捨てちゃっただろうか….

*1:美味しんぼ』を1世紀ほど前に先取していた作品と考えてくれれば分かりやすいかもしれない.

*2:pdfちらっと読むと登場人物の名前が「大原」「中川」とあり,思い出した!当時のボキはこの2人を『こち亀』の大原部長・中川と勝手に重ねて読んでいた.