中島らも,2004『なれずもの』イースト・プレス.

対談集.著者急死のためか,6人分の対談を収録し,対談時の写真に多く紙幅が割かれている.
これまでも『逢う』『訊く』(いずれも講談社文庫)といった対談集があったが,対談相手との緊迫したやり取りというよりは中島らもが自らの思想を語る,といった感が強い.相手が,中島の趣味・嗜好の内側にある人だったり,年下だったりということもあるのかもしれない.
キッチュとの対談で「あー、今日はおもろかったわ。」の一言でこの対談集は終わる.この一言をエピローグに持ってくる編集に,いやらしさを感じつつも,この一言が「救い」であってほしいとも思うわけで.