被写体としての民族・儀式

毎年恒例のマレック漁の手伝い.
まずは,うちのウタリ協会支部長宅の掲示物より.

なんでも,ムネヲ氏は「アイヌ文化の振興」を公約に掲げているとのことで「働いてもらわないと」と関係者は懇親会の席で語っていた(酒も入り上機嫌で).少数政党・地域政党らしい公約で,今後,どのような展開があるか注目ではある.
あいにく,朝から雨.
しかし,この会場で何度か経験しているが,祭礼に入ると,なぜか雨が止んでしまうのだ.これには,ふだんからあまり霊魂とか神とかを考えない私でさえも,何かスピリチュアルなものを感じてしまう.
客層は,朝の雨もあってか,数は少なかった.民族間交流ということで,他地域のウタリ協会・アイヌ文化伝承保存会のメンバー層と「お祭りだから飲み食いできる」と集まったご近所層,そして「写真が撮りたいので」とやってきたアマチュアカメラファン層.
チセ(住居)でのカムイノミ(儀式)が終わり,前日,池に放したサケ・マスを丸木舟の上からマレックと呼ばれる針のついた棒で突く漁が始まる.
この魚は,地域のさけます増殖協会のようなところにお願いして分けてもらってるのだけど,ここに魚を引き取りにいくのに事前に電話しようと思って支部サイドに「いつ取りにいくんですか?」と聞くと「う〜ん,午後からって言ってるけど」との答えだった.だから午後何時ごろなのかを教えてほしい,と思ったのだが結局曖昧な回答しかえられなかったので,そのままの内容を協会に電話.向こうでは「何時になるか分からないけど,午後ということですか…」と困っていたようだった.私も電話してて恥ずかしくなった.
まぁ,池に魚がいたということは,何とか協会の好意で頂いてきたのだろうということと理解した.
ということで,2葉.
まずは,支部長と丸木舟.

舟の舳先についている飾りと支部長が頭にしているものはたしか共に「イナウ」という.
漁の体験をしている中学生とそれを見ている女性.

最後は,中学生が長靴で池に入り,下半身ずぶぬれで魚捕りをしていた.
祭礼の後は,「飲め」「食え」の懇親会だった.片づけもある程度メドが付いたので,私はちょっとだけおじゃまして,早々に席を辞した.