古本屋で見つけてきたもの

今回(20041017)行ったのは,BOOKOFFのような感じの大型古書店
奥野正寛,『ミクロ経済学入門』*1日経文庫
森毅,『人生20年説』イースト・プレス
本川達雄,『ゾウの時間 ネズミの時間:サイズの生物学』中公新書
西垣戸勝,『性教育は,いま』岩波新書
小林康夫船曳建夫『新・知の技法』東京大学出版会

しめて\400+消費税也.

地方小都市の古書店のラインナップを見ると,ある程度その地域の読書人の傾向が分かるように思う.

文庫・新書類は,どういう作家が読まれているかを把握しようとする気がなくなるくらい膨大にあるので略.単行本でやはり多いのは,文芸書の過去のベストセラー,ビジネス書.意外に多いのは,大学受験参考書や大学生が売り払ったと思われる教科書(伊藤元重『ゼミナール国際経済入門』(初版)が\105で売られていた.欲しかったが「どうせ売れないだろ」と思い,次回に回す).地元に畜産学部単科大学があるのだが,専門科目で指定されている教科書および参考文献かと思われるアイテムはほとんどない.それ以外で目に付くのは『回顧・三池闘争』のような労働運動モノ.してみると,フツーの読書好きさんのほか,高校生(大学生も)・労働組合の活動家が地域の読書界を支えているようだ.マンガはどこでもそうだろうが,汗牛充棟(不適切な用法か)の感がある.文庫・新書の比ではない.

この他,俳句・短歌の地域結社の同人誌,各種団体の記念誌といった通常流通しない本も店頭に並んでいる.元の所有者からしてみれば処分したいものだったのかもしれないが,買い取った店の側は「売れればもうけもの」と考えているのか,デタラメな価格でポツポツと棚入れされている.一度,『下山先生の思い出』だったか,そんなタイトルのカビくさい背表紙を見かけた.「これは」と思い,引っ張り出してみると,あの「下山事件」の下山定則ゆかりの人たちの手になる本.これも,奥付を見ると関係者のみに頒布された本だった.立ち読みだけした.持ち合わせもなかったし,値段もそこそこしたので.

また,古書店の側での商品価格設定が,新刊に近いものほど元の価格に近い高額で,古い本はその逆,というのも当地の古書店の特徴かもしれない.

*1:改定版へのまえがきのところに「塔島ひろみさんには,読みにくい草稿をワープロに入力していただきました」といった謝辞あり.とうじ魔とうじさんの奥さん,もとい,あのミニコミ『車掌』の詩人・塔島ひろみさんのことか?(デタラメ書いてましたんで訂正)