「高校生が選ぶ『大学に入ったら読みたい本100選」(佐賀大学附属図書館)

d:id:dice-x:20041119 「佐賀大学附属図書館の見識を疑う」から.
dice-xさんの「大学図書館としての選書・蔵書基準を示せ」という意見に全面的に同意.
また,nipponianipponさんの,

「大学に入ったら」などという枕詞は完璧に無視。単に「今読みたい本」のランキングとして現れているところに、現代の学生たちの刹那的な性向が伺える。大学当局が「大学に入ったら」という言葉に託した微かな願いをうち砕くベストセラーのリスト。
d:id:nipponianippon:20041124

という意見もごもっとも.つーか,最近の高校生は,今読みたい本を買う金がないってこと?
挙がっている本の9割以上が,今読んでおいた方がいい「なまもの」系と言えるのだが,今読まない/読めないのはなぜ?(受験)勉強に忙しいから?
それは置いとくとしても,学生になったら図書館で例えば『世界の中心で…』とか『Deep Love』とか借りることに抵抗はないのか?そういう想像をしないのか?(あぁ,「大学に入ったら」が「今読みたい」に脳内誤変換されてるんだもんなぁ)まぁ,意外に「あぁ,それって『せかちゅー』でしょ?図書館で借りたの?すごいね!いい本なんだってね!あとで中身教えて!!!」というような会話がフツーにやりとりされたりするのかも.
こういうラインナップが出来上がってしまうのは,一つには文学史だとかそれぞれの教科での古典とかを学校で教えないからかもしれない.教えてるんだろうけど,書名だったり著者名が「記憶すべき事項」としてしか理解されてないんだろう.「紫式部が書いたのは?」「源氏物語!」のように.まぁ,ボキが学生の頃もそういうヤツはいたし,ボキにもそういう性質がないわけでもないが.
そういう「『アタック25』には通用しそうな知識」の補強,というニーズのために,『あらすじで読む〜』とか『さわりで覚えるクラシックの〜』とかが怒涛のように出版されているのか?
また,一方では大学で学ぶことが高校生に十分に教えられていない,ということもあるのだろう.「法学部に入ったんですけどぉ,社会は地理受験でした.学生になってから世界史を勉強する必要が出てきて,すっごい苦労してます…」という先輩の体験談を昔,聞いたな.リストを改めて見たら『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』,入ってないですね.社会科学系に進むなら,これこそ「大学に入ってから読みたい本」としてウソでも(・∀・)イイ!!から挙げる本では(実際には単位取得のため,読まざるを得ない展開になることだろうが)?それくらい,次のステージというものが高校という世界では意識されていないのではないか.