結城浩『数学ガール』
奇書だと思う.
今までありそうでなかった「数学」+「萌え」をやってしまったのだから.
- 作者: 結城浩
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2007/06/27
- メディア: 単行本
- 購入: 58人 クリック: 1,055回
- この商品を含むブログ (967件) を見る
http://www.hyuki.com/girl/
にある.
個人的には,数学の部分については解析系の話が多くてちょっと骨が折れる.なんとなく代数系の話の方が個人的には好きなのだけど.ただ,途中の式の展開過程を省かないで記述してくれている点で分かりやすいものになっている.
一方,「僕」とツンデレ系と妹系の織りなす学園青春「萌え」物語は,(著者には大変失礼だが)ベタな展開だけれども,ところどころ「10代の頃ってこんな風に胸のあたりがふわっとしたことあったなぁ」というときめきの懐かしさを思い出させてくれる.それがあくまで「懐かしさ」でしかないといいうところに「思えば遠くへ来たもんだ」という一抹の寂しさも禁じ得ないのだけれど.
小説として読んでしまうと,思いっきり薄い内容になってしまうので,ここは一つ,歯を食いしばって書くものを持って読むべき一冊.